AKA博田法とは
ここでは私の治療法の根幹をなすAKA博田法について説明します。
AKA博田法は1980年代に博田節夫医師が開発した手技療法です。博田医師は関節包内運動が障害を起こす関節機能異常が慢性痛の原因であると考えました。当時この考え方で治療を行っていた「ジョイント・モビリゼーション」という手技療法があったのですが、この手技は理論的にあってはならない方向に進んでいったため、博田医師が関節機能異常の解消のみを対象とした手技が必要と考えたのです。
AKA博田法の特徴は、まずはその手技の力の弱さというか柔らかさというか、ということかと思います。何よりも先に仙腸関節の手技を行いますが、患者さんにしてみれば単に触っているだけ、としか感じないと思うほどふわっと腰に触れます。それくらいの力でないと関節機能異常を解消することができないのです。その他椎間関節にしても四肢の関節にしてもものすごく柔らかく、ものすごく集中して手技を行います。骨と骨が動く、ほんの数ミリの動きを手で感知しなければならないのです。この手技がうまくいけば、痛みとか体のだるさ、重さは嘘のように解消します。
AKA博田法のもう一つの特徴は、とにかく難しい、ということです。
症状の軽い人なら嘘のように治すことができるのですが、症状の重い人に効果を出すことがほとんどできません。AKA医学会の中で技術的に上位の人が、そういう重い症状の人を治すことができるのかどうか、私は知りませんが、私の周りで私以上の技術を持った人はいませんし、私のAKA博田法の技術では、重い症状の方には全くのお手上げだったので、この技術は一般的な医療技術にはなり得ないと、私は判断しました。AKA博田法の専門書を熟読し、何度か行われた技術講習会にも参加しましたが、この技術を専門に行っていては、自分自身の成長にはつながらないと判断したのです。
技術的には難しくても、この理論が正しいことは、症状の軽い人が嘘のように治ってしまうことで証明されています。そこで私は、この理論を根幹に据えたうえで、使える技術は残しつつ、AKA博田法とは別の技術を開発しようと思いました。それが現在の私の手技療法です。
手や足など末端の関節は博田法の技術を用いますが、体幹や頚部、頭部についてはAKA博田法よりも私の技術の方が、時間はかかりますが、良い結果が出ています。
AKA博田法についてさらに専門的に知りたい方は「日本AKA医学会」のHPをご覧ください。